第12章 3話
一昼夜に続く宴も終わりを迎えようとしていた。
さすがに・・・あちこち食い潰れていたり飲み潰れているのが見えるしね。
「どうしても帰るのか?」
ルドルフが訪ねる。
「ええ。妖魔界は救ったし・・・私には元の生活もあるから」
そう・・・。
今はお姉ちゃんは旅行に行ってるけど、帰って来た時にいなかったら心配されると思うし。
「そうか・・・。残念だな・・・。君にはこの妖魔界の女王になってもらおうと思っていたのに・・・」
・・・はい?
「じょ・・・女王・・・?」
「そうだ。俺が今の王だからな。君が女王」
え・・・と・・・。
「それって・・どういう・・・意味?」
「だから。俺と君が結婚してだな・・・」
・・・はい?
えっと・・・。
え!?
「えぇえええーーー!!」
け・・・結婚!?
「何でそんなに驚く?」
「だって・・・。なんで結婚しなきゃいけないの???」
そうよ。
そりゃあ・・・。
確かにルドルフは格好いいわよ。
でも・・・。
それとこれとは違う。
だいたい・・・私はルドルフがどういう人なのか、ちゃんと分かってもいない。
好きだとか嫌いだとか・・・。
そういう感情すらまだない状態なのに・・・。
「だって・・・。俺はこの妖魔界を平和に保つ存在で・・・君はこの妖魔界を平和にした存在だろ?」
「あのねぇ・・・。結婚って・・・そんな単純なもんじゃないのよ・・・」
頭痛い・・・。
それは・・・さすがにその妖魔界の常識に合わせたく無いわ・・・。
「そうかな・・・。俺は君の事が好きだが?」
「はい?」
目が点になる。
「初めて見た時からかな・・・。今の君も十分魅力的だが・・・」
「だからって!!私の意志はどうなるのよ!!」
勝手に決めないでよ!
「えー?いいじゃないですか、ヨーコ様」
「フェア!!・・・とにかく・・・、私は元の世界に帰る!!」
もう・・・。
これ以上ここにいたら、うやむやのうちに結婚させられそうだわ。
「大丈夫だ。これからゆっくりと・・・俺の良さを教えてやる」
「いやーーーー!!帰して!!」