第12章 城
私は・・・。
再びこのお城に戻って来た。
やっと帰って来た・・・。
まさにそんな感じね。
中に入り、ふと・・・。
私は肖像絵に目が止まる。
そう・・・。
初めてこの城に来た時にも、確かこの絵を見たんだわね。
「・・・あっ!!」
私は気づいた。
フェアも・・・ユニコもウルちゃんも驚く。
そう・・・。
その絵の・・・鎧。
それは・・・。
指輪の力で、私が身に付けた鎧とまったく同じ。
そして・・・。
持っている剣も妖魔キラーそのもの。
まさか・・・。
「どうした?」
ふと・・・。
ルドルフが姿を現す。
「ルドルフ・・・。この絵は・・・」
「ああ・・・。これか・・・。俺の祖先が描いたと言われる『伝説の少女』という題名だ」
伝説の少女・・・。
「もし・・・この妖魔界が混乱する時が来たら、この少女が現れて・・・妖魔界を救うと言っていた」
これは・・・まさに・・・。
「私・・・、クロウと戦ってる時に・・・この鎧を身につけてたわ・・・。そして・・・この剣は妖魔キラー・・・。私がその『伝説の少女』かどうかは知らないけど・・・、私の格好はまさにこの絵のそのままだわ」
まさか・・・。
この城に来た時に見ていたのは・・・。
将来の自分の姿になっていようとは・・・。
「そうか・・・。でもクロウを倒し、この妖魔界を救ったんだろ?それなら・・・まさに君は『伝説の少女』だ」
まさか・・・。
「でも!私一人の力で救った訳じゃない!フェアが・・・ユニコが・・・ウルちゃんがいてくれたからこそ!」
そして・・・。
今はもう眠っているロボがいてくれたから。
みんながいてくれたからこそ。
私はこの妖魔界を救う事が出来た。
「謙遜するな。君のその人柄もある。その人柄だからこそ・・・みんなは力を貸した訳だろ?」
ルドルフの言葉に・・・みんなは頷く。
「さあ!とにかく今は祝おうじゃないか!!」
残り少々となりました。
あと少しだけお付き合い下さい。




