第1章 10話
「”巨人の目”に行くまでに色々目印の目的地があるので、そこを経由して行けば行きやすいです。いきなり”巨人の目”に行こうとしても迷うだけですし」
なるほどね。
確かに・・・私達の世界と違って目印になりそうなめぼしい物は何も無い。
建物はルドルフがいたお城を除いて全く見えないし、山だの川だのといった地形も見られない。
いえ、ただ一つ高い山がそびえ立っているけど。
あれ以外はまるで何も無いって感じ。
これじゃあ・・・確かに迷いそうだわ。
「あれは?」
私は唯一見えた高い山を指さす。
「あれが第一の目標でもある”巨人の足”です」
あれが足・・・。
「”巨人の足”を超えると次は”巨人のへそ”というくぼみが見えますので、そこに向かいそこに到着すると次に見える広い高原が”巨人のてのひら”そして湖である”巨人の口”へと行き小高い山である”巨人の鼻”へ、その側にある洞窟の奥に目的地である”巨人の目”があると言われてます」
ふぅん・・・。
確かに・・・長く険しそうな道のりね・・・。
だからと言って見捨てて帰るという選択肢は私の頭の中には無い。
私もお人好しだなぁ・・・とは思うけど。
「そういえば・・・最初に追い掛けていた化け物って・・・あれ何なの?」
ふと思った疑問を聞く。
「あれがゴブリンです。あれもクロウの力で欲望にまみれていて、私食べられそうになりましたよ・・・」
それは・・・間一髪だったわね。
「それは災難だったわね。糸で絡まれて飛ぶ事も出来なかったし」
そう・・・。。
今フェアリーさんは私の顔の位置まで高く飛んでいる。
この位置なら・・・あのゴブリンの手に届くとは思えない。
「はい・・・。本当にありがとうございます。」
本当に・・・良かったわ。
「この妖魔界って平和ですから、襲われるなんてまずないですし」
へぇー・・・。
「ルドルフ様のお力のおかげだったんですが・・・、最近はクロウの力の方が膨大になってしまって・・・」
それで救世主が必要だったという訳ね。
よーし。
それじゃあ、とりあえずはあの足に向かって行けばいいのね。




