第11章 2話
「まさか・・・巨人の目が・・・そう言ってたんですか?ドルイドのオババがクロウだって!」
フェアが叫ぶ。
「ううん・・・。ルドルフの城の映像だけだったわ。」
そう・・・。
それしか見え無かった。
けど・・・。
私はその映像だけで十分分かった。
まずルドルフがクロウでは無い。
これでも人を見る目は確かだもの。
あいつがクロウって事はありえない。
それなら・・・このドルイドのオババの方がありえる。
そして、私は今回の真実にたどり着いた。
何故・・・こんな事になったのか。
何故・・・私を呼んだのか。
そして・・・。
クロウの正体を・・・。
「だいたい・・・。不思議じゃない?なんで”巨人の目”からさらに奥へ進んだら、ここへたどり着いたか」
これはみんなにとっても意外な事でしょう。
今まで巨人の目に行くには、それぞれ目標となる地形を辿らないと行けない、遠い所だと思っていた。
それはルドルフやフェアもそうだった。
なのに・・・。
何のことはない。
ちょっと反対側に行くだけで、そこにたどり着けるなんて・・・誰が思うだろうか。
つまり・・・。
ここに来て、私達の世界の常識が妖魔界にも当てはまるという事。
そう・・・この妖魔界も丸いという事。
つまり、私達は必死になってぐるっと回ったという事。
ただ・・・目標もなく巨人の目に行くのは難しい。
だから今まで他の人が巨人の目に行った事が無かったんだわ。
だけど・・・。
このドルイドのオババは違った。
つまり・・・。
巨人の目へ行く近道を知っていた。
だからこそ・・・。
今まで占いが当たっていたんだわ。
あの巨人の目の力を使えば知りたい事が分かるものね。
だけど・・・。
今回だけは違った。
そう・・・。
今回・・・私を呼んだ理由それは・・・。
「今回・・・私を呼んだのは・・・、わざと遠回りの道のりを行かせる事によって・・・、その道中や四天王によって確実に私を殺す事だったのね」