第11章 敵
「な・・・なんで!?」
フェアはしきりに驚いている。
それはそうだろう。
ここにきて、私達の常識である”世界は丸い”というのが出てくるとは思わなかったし。
だいたい”巨人”っていうのに引っかかるでしょうね。
この大地に巨人が眠っているがごとく、真っ平らな所だと思っちゃうだろうし。
「まさか!!ルドルフ様がクロウ・・・!?」
フェアの言葉に・・・しかし私は首を横に振る。
違う。
ルドルフがクロウじゃない。
クロウは・・・違う人物。
私にはその心当たりがある。
私はそのまま・・・。
ある一点へと向かう。
そこは・・・私も来た事のある場所。
思えば・・・。
私はそこから旅が始まったと言っても過言じゃない。
全ての始まり・・・。
その場所へ・・・。
私は・・・そこへと入る。
「おや・・・。また久しぶりな顔じゃの」
そう・・・。
そこは・・・。
「ドルイドのオババ・・・」
ユニコがつぶやく。
「まさかとは思ったけどね。でもよくよく考えてみれば当然の話よね」
「なんじゃ・・・?いきなり・・・」
そう・・・。
私には確信があった。
「どういう事ですか・・・?ヨーコ様・・・」
フェアが聞いて来る。
「つまり・・・。ドルイドのオババがクロウだって事よ」
そう・・・。
それしか考えられない。
みんなは驚いているけど・・・。
確かに・・・。
ありえないと思うかもしれない。
けど・・・。
ドルイドのオババこそがクロウ。
そう考えれば・・・。
意図が分かる。