第10章 9話
その声の正体は・・・。
一人の女性だった。
見た事ないけど・・・何かどこかで会ったような感じもする。
変な感じ・・・。
翼の形のアクセサリーを兜に付け、胸鎧だけを付けている。
剣は持ってないみたいだけど・・・。
左手に宝石みたいなのが見える。
何か神話で見たような感じもするけど。
それじゃあ・・・まさか!
「私はワルキュリア。この世界の神様です」
この人が・・・この世界の神様・・・!?
「ごめんなさいね。あなたを異世界に呼ぶような事をして・・・」
「え?・・・それじゃあ・・・ワルキュリア様が・・・!?」
それは・・・初めて知ったわ。
「はい・・・。私は私である混乱を収める為に手がいっぱいで・・・。仕方なく妖魔キラーの能力を持つあなたを呼ぶ事にしてしまい・・・」
「別に・・・最初の頃はともかく、今は恨んでないわよ。今は自分の意志で妖魔界を救いたいって思ってるんだから」
「はい・・・。それを確認するために今の幻覚を起こさせてもらいました」
ふーん・・・。
あれ?
「ちょっと待ってよ。私を呼んで起きながら試したって」
「それも仕方ないのです。このアーティファクトを作動させる為の必要な事なのですから」
なるほど・・・。
「それに私が直接呼んだ訳ではありません。もっとも私の作ったアイテムの効果で呼ばれたのだから、同じ事だと思いますが」
そっか。
やはり、アーティファクトの効果で呼ばれたのね。
「とにかく・・・クロウの居場所は教えて貰えるんでしょう?」
そう・・・。
私はその為にここまで来たんだから。
そういうまどろっこしい事はどうでもいい。
「はい・・・。もちろんです。あなたの覚悟が知りたかっただけですから」
ワルキュリア様も人が悪いわ・・・。
「それでは・・・クロウの居場所を教えます!」
いよいよね・・・。
私は緊張する・・・。
「その場所は・・・」
これで・・・ようやく・・・。
この旅も終わるのね。
クロウを倒す時がやって来た・・・。
ちょっと寂しいけど・・・。
やらなきゃいけない事。
そして・・・。
ゆっくりとワルキュリア様は私の前に映像を見せる。。
そこは・・・。
私にとっても意外な場所だった・・・。