表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
93/753

2話

西原はタバコに火をつけて、煙を吐き出しながらドアの方を見た。まだむつはドアの前に居るのか、鼻をすする音と圧し殺したような嗚咽が聞こえてきている。


こんなつもりじゃなかったのに、という後悔と冬四郎ならよくて、自分はダメなのかという惨めさ。それと共に、いつまで経ってもむつを泣かせてばかりの自分を情けなく思っていた。考えてみれば、夜景を見に行った時も、みんなの前で話していた時も、今も全部に自分が関わってむつが泣いている。後悔しかなかった。


そんなに残っていないワインをちびちびと呑みながら、西原は落ち着きなくタバコを吸っていた。


明け方も近くなってきた頃、ようやくむつの泣き声も聞こえなくなった。泣き疲れて眠ったのだろう。そうは思ったが、西原は様子を見には行けなかった。もし、物音に気付いて起きたむつがまた泣き出す可能性の方がおおいにあったからだ。


むつが出してくれたあてとワインを飲み干し、西原はそれらを流しに持っていくとソファーに横たわった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ