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よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
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11話

力が抜けると、気持ちも変わるのか、勝つ負けるはさほど気にもならなかったし、向かっていく事に恐怖もなかった。


むつは、もう何も感じなくなっていた。西原が死ぬかもしれないという恐怖も、鬼に殺されるかもという恐怖も何もなかった。


5本の指を全て斬り落とし、足元に太い指と緑色の体液でぐっしょりと濡れてくると、むつはずるっと足を滑らせた。どんっと尻餅をつくと、今が反撃のチャンスとばかりに、鬼が手のひらを叩きつけた。だが、むつはそれより先に日本刀を真っ直ぐ上に向けて後転して避けていた。ずぶっと刺さった日本刀の剣先だけが僅かに、手の甲から見えていた。むつはとんっと手の甲に乗ると、剣先を掴むようにして、斬れた所に指を突っ込んだ。


ぐじゃっとした物が手に触れた。生暖かいような鬼の体液や肉なのかもしれないが、気持ち悪いとも思わない。指を押し込み、ずっぽりと手首まで入れ刃を掴むとずずっと引き上げた。

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