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よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
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11話

指を1本ずつ斬り落としていたむつは、これが面白いとも何とも思ってはいなかった。ただ、最初は憎いと思っていただけだった。西原を瀕死の状態にさせたのは、自分の力不足が招いた事ではあったが、それをした鬼の楽しげな表情にとてつもない怒りを感じた。


初めてに近いくらいに、他者に対して憎いとはっきり感じた。今まで何度となく、ムカつく事、悲しい、悔しいといった負の感情は味わった。だが、憎いと自覚出来るほどに感じたのは初めてであった。自分を好いてくれる、側に居てくれる、守ってくれた人を面白おかしく傷付けた鬼は、とてもじゃないが許せない。


こんな行動に出ているむつを見て、西原が喜ぶとは思えなかったが、こうでもないと自分の気がおさまらない。


能力も使えない今、向かっていった所で負けは見えていると思っていた。だが、髪の毛を縛り直す際にくわえていた柄から口の中に広がった血の味を感じてから、何故だか負ける気がしなかった。それだけではなく、肩の力が抜けるようだった。

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