表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
706/753

11話

むつは冬四郎の手から離れて、鬼の方に向かっていく。とことこと歩いていただけが、だんだんと早足になり、駆け出していった。


呆然としている冬四郎を引っ張るようにして、颯介は西原の所に戻ってきた。


「に、西原さん!?な…何があったんですか?」


はぁはぁっと短い呼吸をし、仰向けに寝かされている西原に駆け寄った祐斗は、ぐっしょりと血に濡れたむつのコートと西原のシャツを見て、強張った表情をした。


「…大怪我をしたんだ」


狛犬は西原の腹に顔を近付け、ひくひくと鼻を動かした。


「土地神の薬を塗ったのか?」


西原のすぐ横には、ぐしゃっと潰された緑色の包みが落ちている。狛犬は、それと西原を交互に見た。


「…傷口は塞がってきてるけど、内臓までは、どうだろうな。こいつ、もたないかもしれないな」


狛犬の言葉に祐斗は、むつの方を見た。むつは、降り下ろされた鬼の手から指を斬り落とした所だった。ふわっとした動きに力はなく、鬼の攻撃を避ける姿勢のなさには、危なっかしさしかない。


「そ、そんな…むつさんの様子がおかしいのって、西原さんがこんな事になって自棄になってるから?」


「たぶん、そうだろうね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ