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11話
「無事、か…?」
「…余裕だよ」
はぁと溜め息混じりにむつが言うと、西原は息を吐くように少し笑った。西原は気だるげに手を持ち上げると、むつの手を握った。むつは無表情なまま、西原の手を握り返した。そして、その手を胸の上に下ろさせた。
「すぐ、だよ。待っててね」
優しげに言ったむつは、西原から手を離してべったりとついていた軟膏を、服でなすってふいた。
側に落ちていた日本刀を拾い上げて、むつは顔にかかっていた髪の毛をかきあげた。
「颯介さんとしろーちゃんは先輩の側に居て」
「無事、か…?」
「…余裕だよ」
はぁと溜め息混じりにむつが言うと、西原は息を吐くように少し笑った。西原は気だるげに手を持ち上げると、むつの手を握った。むつは無表情なまま、西原の手を握り返した。そして、その手を胸の上に下ろさせた。
「すぐ、だよ。待っててね」
優しげに言ったむつは、西原から手を離してべったりとついていた軟膏を、服でなすってふいた。
側に落ちていた日本刀を拾い上げて、むつは顔にかかっていた髪の毛をかきあげた。
「颯介さんとしろーちゃんは先輩の側に居て」