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よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
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11話

鬼はむつが弱っていると見て分かっているのか、にやっと笑うと手を伸ばした。ゆっくりとした動作だったが、急に素早く、ばんっと地面を叩いた。指を広げていたからか、むつはその間に上手く身体をずらして避けたが、ひび割れた地面に足を取られて転倒した。指先の当たっていたブロック塀は、その形に添って見事に粉々になっている。


足元の悪さからすぐに立ち上がれないでいるむつに、鬼はもう片方の手を伸ばした。人の腕のような太さの指が近付いてくると、むつは座り込んだままであったが、日本刀を振り上げて勢いよく下ろした。皮膚は固さがあるのか、それともむつの力不足なのか、日本刀は食い込んだ。だが、そこから切れもしないし、引き抜けもしなかった。


抜けないとなるとすぐに柄から手を離すべきだったが、それよりも先に鬼が痛さからか手を振った。ぶんぶんと振り回され、むつは再びブロック塀に激突した。そんなに勢いはなかったが、やはり何度もぶつかっていては、それだけで体力を消耗する。ぎゅっと柄を握っていたのに、振り払われて滑ったからか手のひらもじんじんと痛んだ。

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