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よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
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11話

「…分かりますよ。3人のお気持ちは。わたしとて、今のお役目に満足しているわけではありませんから。ですが、人を見守る事が本来の役目である我々のせいで、見守るべき人を危ないな目にあわせるのは…そうまでして役目から離れたいとは、わたしは思えませんね」


「…だが、見守るような人々がどこにいる?子供も旅人も居ないんだぞ?」


「今のお役目が不満だからといって、他に目を向けられなくなりましたか?わたしたちの前を通り、公園で遊ぶ子供たちは今でも居るではありませんか。家から仕事に向かっていく大人たち、それだってある種の旅人だとは思いませんか?家を出て安全にまた戻ってくる、それを見守っていけば良いとは思いませんか?それに、子供が大きくなったとしても、それはいつまでも誰かの子供なのですよ」


よく見る地蔵のイメージそのものの笑みを浮かべて、地蔵は溜め息混じりに言った。


「見守ってきた子供たちが親となり、その子供と一緒にわたしたちの身の回りを綺麗にしてくれたり、お供え物を置いてくれたり、今だって立ち止まって手を合わせてくれる方は多いでしょうに。そういった方々を見守り続ける為にも、浮遊霊、亡者、死鬼は在るべき場所に還さなくてはならないのです」

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