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11話
「よ、4の地蔵?大丈夫か?」
「でも、これでようやく全員揃ったね」
祐斗が連れてきた地蔵の様子を心配もしているが、役目を離れて全員が自由になれた事を喜んでるようでもあった。
「さ、ゆっくりとお座りよ。狛犬の用意してくれた蜜柑が、とっても美味しくて…」
地蔵が蜜柑の盛られたかごを差し出すと、4の地蔵はそれを両手で押しやった。受け取る気はないという事だろう。拒否をされた地蔵は、不思議そうに首を傾げている。
「な、何をのんびりしているんだ。役目を放り出して、土地神様にご迷惑をかけて…今の状況を分かっているのですか?」
ばしっと畳の上に錫杖を置くと、地蔵は大声こそあげなかったが、怒りの込められた声を出し、じろりと他の3人の地蔵たちを睨み付けた。
優しげな地蔵から不穏な雰囲気がかもし出されている事を知った祐斗は、自分のした大胆すぎる行動に少し後悔をして1歩下がった。




