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11話
「しきって何ですか?」
「死ぬ、鬼と書いて死鬼だ」
「悪い事を繰り返して死んで、鬼となってこき使われてる方の事ですよ」
狛犬と地蔵が、ざっくりと説明をすると分かりやすいと祐斗は頷いた。
「…って!!鬼!?」
「そうだ。むつたちが危ないな」
「玉奥さんもですけど、他にも3人の男の人たちが居ました。他の地蔵たちを連れ帰るまで任せると言ってしまいましたが…大丈夫でしょうか」
はぁぁと深い溜め息をついた地蔵は、困ったような顔をして狛犬を見た。
「任せて来たんなら仕方ない。祐斗と一緒に他のやつらを連れて戻って貰わないとな」
「はぁ…ですよね」
苦労性なのか、地蔵は再び深い溜め息をついた。疲れきっている地蔵も気になるが、祐斗はむつと颯介と事が気になっていた。




