表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
660/753

11話

石段を登っていたものの、体力が尽きたのか、手をついて肩を大きく上下させている。祐斗が、その姿を視て呆気に取られていると狛犬は、溜め息をついた。


「真面目なやつは体力ないんだ」


「…お地蔵様が息切れしてる」


「助けてやってくれ」


頼むよと狛犬が目尻を下げて言うと、祐斗は頷いて石段を下りていった。手をついて肩を上下させて、ぜぇぜぇと息をついている地蔵の横で膝をつくと、祐斗は覗きこむようにして見た。


「大丈夫ですか?あの、お手を…それかおんぶしましょうか?」


祐斗が声をかけると驚いたのか、地蔵がばっと顔を上げた。そして、まじまじと祐斗を見ている。


「はぁ…はぁ…もう、何なのでしょうね、さっきはお嬢さんに呼び止められ、今度は青年に手を差し伸べられ…」


不甲斐ないと嘆きつつも、地蔵は祐斗の手を取って立ち上がると、しゃんっと鳴る錫杖を杖がわりに、よっこらしょと石段をゆっくり登り始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ