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よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
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11話

「…どけて、手をどけろってばっ‼」


むつは再度、鬼の指を掴んで持ち上げようとしながら、上を向いて叫んだ。西原が下敷きにされているなら、早くこの手をどけさせて助け出さなくては手遅れになる。焦るむつの気持ちを知ってもか、鬼は手をどけたりはしなかった。


じゃんっと錫杖をや鳴らしながら、近付いてきた地蔵は、そっとむつの手に触れた。


「玉奥さん、かばって下さった方なら無事ですよ。ご安心ください」


泣きそうになっていたむつだったが、地蔵の静かな声に、瞬きを繰り返すばかりで何も言えなかった。


「あちらに」


錫杖が向けられた先には、西原を抱き抱えるようにして冬四郎が倒れていた。


「鬼の事はお任せしますよ」


「あ、はい…」


「なるべく急ぎますから、お気をつけて」


地蔵は落ち着いた様子でそう言い、じゃんじゃんっと錫杖を鳴らしながらの駆け出して行った。


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