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よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
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11話

がらっと瓦礫を避けて西原は女をなかば無理矢理、引きずり出した。むつの方は冬四郎が、担ぎ上げている。


「離れましょう」


颯介はちらっと冬四郎を見てから、西原に言った。西原は、女の両脇に手を入れて、ずるずると引きずっていった。女性に対しての扱いではないが、この急いでいる状態では仕方ない。それに、抱き上げてやれる程の優しさも、持ち合わせてはいなかった。


鬼から離れ大通りとは反対方向の道に出ると、ごろっと女を転がした。あとからやってきた冬四郎は、ゆっくりと壊れ物を扱うかのように、むつを地面に下ろした。ぐったりとしているむつは、目を薄く開けている。気絶まではいかずとも、自力では動ける状態ではなかったようだ。


西原は礼を言うべきか怒るべきかで、少し悩んだあげく何も言わなかった。

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