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１１話
「…ありがと」
「うん。かなり、揺れが長いね」
「うん」
颯介にしがみつきながら、むつは台座から落ちて砕けた地蔵を見ていた。これで、完全に４体全部の地蔵が壊れた。
女を阻止する事も出来ずに地蔵が壊されてからの、大きな地震。ただのタイミングのよすぎる出来事には、思えず不安が募るばかりだった。むつの不安を更に煽るように、再び下から突き上げるような揺れに、身体が浮いた気がした。
どんっとまた突き上げるような揺れを感じた時には、地震のあった台座がびきっと音を立てた。山折になるようにして、台座が持ち上げられたのだ。
「…離れましょう」
