10話
「だって、じゃあどうするんですか!?あのまんまにしておけと?最後のお地蔵様が壊れて何か起きたら、むつさんと湯野さんにだって、どうにか出来るわけじゃないかもしれないじゃないですか!?今だって、亡者が結界の外から溢れないように、女にお地蔵様を壊されないようにするのに必死で、他の事にまで手が回ってないんですからね‼」
むっとしたような顔で、一気にまくし立てると、狛犬が驚いたような顔をして、祐斗を見ていた。
「分かりますよ?やりたくない事を毎日毎日…それが義務だとしても嫌んなりますよ。他にもしたい事、本来の役目があるのに、それは出来なくて、違う事をさせられて…だから俺は最初、先に自由に過ごしたお地蔵に役目に戻って貰って交替で休みを取られたらどうかなって思ったんですから‼けど、何なんですか?他人の手を借りて、壊されちゃったから仕方ないよねーみたいな感じは!!自分たちがさせてるんじゃないんですか!?誰もいい気分にならないですね、胸くそ悪い。ただの自分勝手じゃないですか」
文句を一気に吐き出し、祐斗は少し顔を赤くさせている。そして、言いきったのか、はぁと息をついた。




