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10話
地蔵たちが役目を放棄しているせいで、浮遊霊が溢れ亡者が出現し、それを何とかして欲しいという土地神からの依頼で、むつと颯介と祐斗がこそまで来ている。それを地蔵たちは、全く知らないで居るのだろうか。祐斗は、ちらっと狛犬を見た。狛犬は、うつ向いてゆるゆると首を横に振った。地蔵たちは知らないで居るなのか、それは狛犬には分からないなのか、どっちとも取れる反応だった。
「女の子って言えば、あの子どうしてるのかな?」
「あー…腕切り落とされた子?大丈夫みたいだったよ?土地神様の薬もあって、すぐに治ったし」
「じゃあ、今夜にはやっぱり最後の地蔵もこっちに来れるって事だね」
「たぶんね。何事も無ければ、の話だけど。でも、邪魔してるのは誰なんだろう」
「さぁ?それにしても今の世の中で妖を斬る人なんて居るんだね。どちらにせよ早く来てら良いのに」
「蜜柑と菓子があるうちに」




