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よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
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10話

「そ、そんな…いえ、そうかもしれませんが…でも…」


「君はさぁ?やりたくない事、同じ事を毎日毎日やってても平気なわけ?休みたくない?」


「そうそう。近頃じゃ、わたしたちの役目なんて亡くなった方の旅路を見守る事だけでさ」


「子供と旅人を見守るなんて、時代遅れな感じになっちゃってさ。このご時世、旅人なんか居ないし」


そうそう、と地蔵たちは文句を言いながら頷きあっている。それを聞きながら、土地神も困ったような顔をしている。もしかしたら、ここでその話を何十回、何百回と聞かされているのかもしれない。


「…早く、最後の地蔵も来ないかなぁ」


「だよねぇ。あの人は真面目だから、最後に残ってまだ役目に就いてるんだろうね」


机に置かれた湯飲みでお茶を飲み、かごにもられた蜜柑に手を伸ばしている地蔵たちは、全く動く気がないようだった。

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