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8話
本来ならすぐにでも抜きたいが、まだ抜けるという自信が持てない。抜こうとして抜けなければ、その間に隙が出来る。そこを突かれた時が怖いのだ。そんな風に、守りに回っているようでは何ともする事は出来ない。そうとは分かっていても、むつには勇気が出なかった。
せめもの救いは女と対峙しているからか、亡者が寄ってこない。構ってる暇がないと分かっているのか、亡者はむつと女が見えていないなのように、横を通りすぎていく。
むつは一旦、女から距離を取ろうと数歩下がった。距離を置いて、むつが反撃の糸口を探す間さえも与えるつもりがないのか、すぐに間合いを詰めてくる。
舌打ちをしたむつは、女から仕掛けてくるのを待つのではなく今度は自分から動いた。




