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6話
むつと冬四郎、西原は酒はそこそこに食事を切り上げると、タクシーで神社の近くまでやってきた。
「うぅ…呑んだけど酔いも一瞬でさめるくらい冷えてるよな。むつ大丈夫か?」
かちかちと歯を鳴らしながら、こくこくと頷くむつは本当に寒そうだった。冬四郎や西原のように酒もほとんど入っておらず、身体は冷えていくばかりのようだった。
「お前がビール1杯も呑めないなんてな…体調悪いんじゃないのか?」
「そんな事、ないっ」
はぁぁと真っ白な息を吐きながら、むつはぶるぶると身体を震わせている。よほど寒いのか、むつは冬四郎と西原の間に入ってきた。
「ちょっと風避けにはなるね」
「俺たちは盾か」
「まぁね。良い男が2人も居るんだもん、頼りになる気がする」
「西原君も良い男に入るのか?なら谷代君は余裕で含まれるだろうな」
「祐斗は良い青年だけどね」




