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6話
「ちゃんと寝れたか?」
「うん。ってか、やっぱり着替えたんだ?」
朝方まで一緒に居た時には、冬四郎も西原も凄くラフな格好をしていたが、今はきちんとスーツを着ている。
「流石に、スウェットとサルエルパンツのおっさん2人組なんて、怪しさ満点だろ?」
烏龍茶を注文したむつは、スウェットの冬四郎とサルエルパンツの西原の姿を思い出して、ふふっと笑った。
「確かに。ってか、あたしも2人のあんなラフな服装始めて見た気がする…しろーちゃんスウェット着るんだーって思ったもん」
「寝る時なは。俺は西原君がサルエルパンツだったのに少し驚いたけどな」
「あー確かに。意外かも」
烏龍茶が運ばれてくると、それを見て冬四郎と西原が少し意外そうな顔をした。
「呑まないのか?」
「あ、お前。もしかして、宮前さんに電車でって言われたのにバイクで来たんだろ」
「電車で来たわよ。そんなに、お酒の気分じゃないの。2人こそ、いいの?仕事行かなきゃいけなくなるかもしれないのに」
「大丈夫。合同の捜査以外に関わる事はないからな」
冬四郎はそう言うと、ごくごくっとビールを呑み干した。




