6話
「うん、お前のそういう所好きだよ。いつもの、つんつんしてる所も良いけどな。仕事中のまじな顔とかも。恥ずかしがり屋なのは、相変わらずだよな。それで?さっきの、だからの続きは?」
「…わ、忘れた‼」
「あ、ほらまた恥ずかしいからってそうやって誤魔化す。たまには素直に言えよな、可愛くねぇ女だな」
「さっきは可愛いって言ったくせに」
「それは、あれだ…素直なのは可愛いって事」
「可愛くなくていいし。さっき、美人って言われたし」
「美人!?お前が?まぁ見る人によっては美人系な顔かもなぁ…ふぅん…美人ね。お世辞でも嬉しかった?」
「そんなわけないでしょ?」
ふんっと鼻を鳴らして、むつが先に歩き出そうとすると西原がその手を取った。
「…そっちじゃない。こっち…ってこの前もこんな件があったな?お前、なぁ」
手を握ったまま西原が歩き出すと、むつも黙ってあとをついていく。
「…ありがと。助けてくれて、急いで来てくれて」
「ん、あぁ。けど、次は最寄りに着く前に連絡くれよ。そしたら、待たせなくて済むしな。いくら信じて待てるっても、嫌だろ待つのはさ」
「まぁ…寒いし、つまんないからね」




