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6話
「みやから先に聞いたぞ。死にかけたんだってな?女に首絞められて…痛むか?」
「ん…大丈夫」
「むつ、この仕事下りてもいいぞ?」
山上がいつになく優しげに言うと、むつは表情を曇らせた。むつが何を思っているのか山上には分かるのか、わしっと頭を掴むようにして撫でた。
「出来ないと思ってるわけじゃないぞ。けど、危なすぎるだろ?無理に引き受ける事ないんだからな…」
「でも、帰りに引き続き頑張るって言って来ちゃったし…もう少しだけ、あたしに任せてくれないかな」
「お前がそうしたいなら、それでいいけど…流石に、夜の事はみやも心配してたぞ。無鉄砲すぎるってな」
「はい…すみませんでした」
「…何だよ気持ち悪い。珍しく素直だな」
「かなぁ…」
「何かあったの?」
颯介が人数分のお茶と暖めたたい焼きを持って来て、むつの前に置いた。むつは颯介の顔を見て首をかしげた。




