6話
後をどうする事も出来ず、冬四郎と西原に任せたむつと祐斗は神社に戻って2人で毛布をかぶって寄り添って眠っていた。冬四郎と西原が現場から引き上げてきた頃には、陽が昇り始めていて薄ぼんやりと明るくなってきていた。
「…むつは誰でも良いんですね」
「妬いてるのか?」
「そりゃあ妬いてますよ」
ふんっと鼻をならした西原だったが、むつがすやすやと眠っているのを見て表情を和らげた。
「けど…可愛いですね」
冬四郎はじろっと西原を見て溜め息をついた。そして、むつと祐斗を揺り起こした。
「むつ、谷代君。起きなさい…現場検証終わったから、一応2人からも聴取をとらないと」
「んー」
むつは祐斗の分の毛布まで剥ぎ取るようにして寝返りを打った。冬四郎の声で起きたようではあるが、まだ動きたくないといった感じだ。
「むつ、起きなさい」
「…はぁい。ん、何か身体痛い」
むくっと起き上がりはしたが、またずるずると床の上に寝そべった。祐斗は毛布を取られたからか、盛大なくしゃみをしてすぐに起きた。
「おはよう」
「あ、宮前さん、西原さん…おはようございます。遅くまでお疲れ様でした」
祐斗が言うと、むつももにょもにょとおつかれぇと言ってまた目を閉じた。




