表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
263/753

5話

むつが冬四郎にもたれて甘えていると、立て付けの悪いドアを軋ませて開け柔和な老人が入ってきた。


「ご無事かな?散々な目に遇いましたな。寒いかもしれませんが、ここをご自由にお使いください」


土地神は、ポットと湯飲みを置いた。冬四郎にくっついていたむつは離れると、正座をしてきちんと頭を下げて礼を言った。祐斗たちもむつに習って頭を下げた。


「…にしても、また壊されてしまいましたな」


「地蔵ですか?」


土地神が悲しげに頷くと、むつと祐斗は顔を見合わせた。そして、ばたばたと走って出ていった。外に並べてあった靴に足を突っ込み、石段を駆け下りていくむつと祐斗の競うようにしてまだ朝陽が顔を出すには早い暗い大通りを走った。角を曲がって細い道に入ると、むつと祐斗は立ち止まった。


ついさっきまで居た場所だったが、景色は全然違っていた。地蔵は粉々といってもいい程に壊され、跡形もない。唯一、転がっていた頭部だけが悲しげにむつと祐斗の方を向いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ