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5話
あぐらをかいて頬杖をついている冬四郎と、寝そべって肘をついている祐斗、その横には目を細めてバカらしいと言いたげな狛犬が居た。
「…何なんすかもうこの展開。宮前さん、後輩と妹さんのしつけがなってないですよ」
「うぅむ。そうみたいだな」
じろっと冬四郎に睨まれた西原は、あははと笑いながらむつからそろそろと離れた。
「…祐斗、大丈夫?思いっきり、台座にぶつかってたみたいだけど」
「大丈夫です。痛いけど…むつさんは?かなり、やられてましたけど大丈夫なんですか?」
「うーん…とりあえずかな?折れたりしてないと思うし大丈夫だと思うけど」
むつはそう言うと、唇を噛み締めて顔をくしゃくしゃっとさせた。泣きそうな顔かもと思い、祐斗は構えるように起き上がった。




