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よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
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5話

はっはっと短い呼吸をしていたむつだったが、それもしなくなりだらんっと両手が力なく垂れ下がった。


むつの手に噛みついていた女は、にやりと笑うと血まみれの手をむつの胸の谷間に突っ込んだ。目的の物を見付けたのか、嬉しそうに笑っている。だが、むつはぱしんっと女の手を振り払うと小さな鈴を握り締めて、ぶちっと鎖を引きちぎった。意識はまだ残っているのか、むつは首をもたげて女を見た。むつの口元が歪むように笑ったような気がした。


ぎりぎりと歯軋りをした女は、さらに指に力を込めて首を締め上げた。ぱくぱくとむつの口が動いたが、何か言う事はなかった。


女は力任せにむつを地面に叩き付け、さらに腹を蹴りあげると、だっと走り出した。冬四郎と狛犬の居る方に真っ直ぐに向かってきているが、冬四郎も狛犬も女を取り押さえる事は出来なかった。

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