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よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
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5話

ちっと舌打ちを鳴らしたのは、むつだった。女の腕から逃れる為なら落ちてもいいのか、それとも西原が何とかしてくれるという自信でもあったのか、足を振り上げて女の顎を蹴った。振り上げた足は届かず、かすめる程度だった。


むつは首をひねって、足元と下を見た。心もとなく足元は浮いているし、手を離されれば確実に下まで転がり落ちただでは済みそうにない。だが、それでもむつは強がりなのか、ふんっと鼻で笑った。女の顔が不愉快そうに歪むと同時に、たっと地面を蹴る音が聞こえた。


祐斗と冬四郎が左右から女の腕を掴んだ。片腕は狛犬に噛み砕かれているし、もう片腕ではむつの胸ぐらを掴んでいる。そうなれば、下手に女も動けないと踏んでの事だろう。


身動きが取れなさそうな女だったが、にやりと笑うと、むつを上に放り投げるようにして手を離した。


「西原っ‼」


冬四郎の怒鳴り声と共に西原が走り出した。ここで上手くむつを取り返せれば、あとは冬四郎と西原での捕物となる。

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