表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
218/753

5話

「ってか、むつさん。よく迷わずに来れますよね」


「え、だって2回は来てるし覚えた」


運転するからなのか、道を覚えるのは早いようで、むつはカーナビを頼るでもなくもうすぐ神社の前に差し掛かろうとしている。


「あ、あの犬…昨日の」


「ほんとだ」


少し先に、大きな巻き毛の犬がのっしのっしとゆっくり歩いて来ているのが見えた。やっぱり、よく出歩いてるんだなとむつは思うと、車を路肩に停めた。


「ちょっと待ってて」


後続の車がない事を確認し、むつは車から降りると、狛犬の前に出た。足を止めた狛犬が、道をふさがれ邪魔そうに顔を上げた。


「…あっ」


「こんばんは。この前は何で一言も喋ってくれなかったわけ?酷いなぁ」


しゃがんだむつより高い位置にある顔を手を伸ばして、ぐりぐりと撫でながら言うと狛犬はぷいっと顔を背けた。


「………」


ぐりぐりと撫でながら、むつはじっと狛犬の顔を見ていた。その目元は優しげに細められているが、笑っていない。


「土地神の付き添いで来たのは、あなたじゃないんだね?」


はっとしたように狛犬はむつを見た。


「性格が違いすぎるもんね。乗る?今日は…何かあったかなぁ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ