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5話
キャンプにでも行く感覚なのか、むつと祐斗は熱いお茶を水筒に入れたりと、出掛ける準備を始めていた。
「あ、そういえば西原さんから連絡ありましたか?昨日の事で」
「うん、あった。メールみたよ」
「…返信、お礼の一言でいいから送ってあげてくださいよ。西原さんが、むつはまた携帯忘れてるのかとか何か色々気にしてるみたいでしたから。俺の所に連絡きてたんで」
「あーそういえばお礼のメールもしてない気がする…あとで送っとくよ。何なの、あの人返信ないくらいで女々しいわね」
「いや…もう今、西原さんはむつさんのことで頭いっぱいですから。仕方ないですよ」
「さっさと事件解決させろつーの」
ぶちぶちと文句を言いつつ、むつは忘れないうちにとその場でメールを送った。威張るように、祐斗にメール内容を見せたむつは、やりきった感のある顔をしていた。祐斗も何も送らないより、ましかと思ったが、本当にたった一言。ありがとう、のみだった。




