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5話
だが、それで元通りになるような気もしない。前よりも浮遊霊が多くなっているという事は、原因から絶ってこそだろう。むつは腕を組んで悩み、首を傾げたりしていた。
むつが悩んだりしていると、ばたばたと廊下を走ってくる音が聞こえた。がちゃっとドアが開いて、祐斗が申し訳なさそうに顔を出した。
「おはようございます…むつさん、ごめんなさい。2度寝しちゃって、遅くなりました」
「いいよ、いいよ。あたしも2度寝しようかなーって思ったりしたもん。それに、夜中になってから起きてられないと困るからね寝とかないと」
「はい…すみません。お待たせしちゃって」
「気にしてないよ?祐斗が夜中に起きててくれるなら、あたしは仮眠取れそうだし」
くすっと笑ったむつは立ち上がり、倉庫の方を指差した。祐斗は何か分からないものの鞄を置いて、むつと一緒に倉庫に入った。
「車、使っていいってから。毛布をね」
「風はしのげても夜中は気温かなり下がりそうですもんね。行く前に熱いお茶淹れて持っていきましょ」
「それ賛成。眠くなるし濃い目にしよ」




