4話
西原に連れられて駐車場に行くと、むつは後部座席に乗り込もうとしていた。
「あれ、むつさん前じゃなくていいんですか?」
「…あたしも祐斗も降りるんだし、先輩を前にのがよくない?さっきみたく前に移るなら」
「そうですね。なら、一緒に後ろに乗りましょ」
祐斗は西原の方を見て少し笑った。むつの横に乗れるのが、少し嬉しいのかもしれない。西原は知らん顔して助手席に乗り込むと、すぐに冬四郎に赤い紙カップを渡した。
「むつからです…って、むつ。これ種類違うのか?」
「しろーちゃんモカ。先輩チョコ。白いの先輩」
「…そっか。ありがとう」
後ろを向いて冬四郎も礼を言った。むつは照れたような、笑みを浮かべて頷くだけだった。
「それで、どうだった?」
「うん。ちょっとお願いがある、良い?」
「とりあえず、言ってみろ」
運転をしながら、冬四郎はモカを飲みながらふぅと息をはいた。甘い香りが後ろまで漂ってきている。
「あのね、先ず。お地蔵様が壊された日付。最初のと2体目のと。あと何で片付けてないのかと何で壊されたのか。えーっと…あと何だっけ?」
「宮前さんと西原さんにお願いするのは、そんな所じゃないですか?あ、防犯カメラとかついてるなら、影像観れたら、いつからあんな状態か分かりそうな気がしますけど」




