4話
「やっぱり、まだまだ…1人での仕事は出来そうにないよね」
「まだまだ、むつさんと湯野さんと一緒が良いですね。一緒の方が楽しいですし…夜の監察を1人でなんて色々辛いです。不審者だと思われそうですし」
祐斗が拗ねたように言うと、むつはくすっと笑った。山上にメールを送ると、返信はすぐにやってきた。むつはそれを読んで、頷くと祐斗にも見せた。
「おっけーって一言だけっすね」
「うん。分かりやすくていいよ。あれこれ聞かれても、メールとかじゃ面倒でしかないし」
「それもそうですね」
むつと祐斗はそれからは、先程までの暗く浮遊霊ばかりの場所の事を忘れたいかのように、あれこれとどうでもいい話をしては顔を寄せあって、くすくすと笑った。
「楽しそうだな、なんの話だ?」
「…あ、西原さん」
「お疲れ様。迎えに来たよ」
「ありがとうございます」
祐斗が帰る支度をしている間、むつはもう1度お手洗いと言って立ち上がった。西原が来た途端に素っ気なくなったむつが居なくなると、西原は溜め息をついて先程までむつが居た所に座った。
「…何したんですか?喧嘩ですか?」
「喧嘩じゃない。ちょっとな…色々だ、色々」
「むつさん困らせるの好きなんですか?」
「…ほっといてくれ。そのうち解決、出来るかなぁ…祐斗君はむつの味方だもんな」




