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4話
駅前の喫茶店にやってきた2人は注文を済ませると、交代でトイレに行った。店内は、サラリーマンや仕事帰りのOLのような人たちで、少しずつ混んでいて話し声、笑い声が響いていた。うるさいくらいではあるが、つい先程まで生きた人が居ない場所に居た2人にとっては、ほっとする空間となっていた。
「…眠ったぁ」
テーブルで頬杖をついているむつは、ふぁふぁと大きな欠伸を連発している。むつが欠伸をすると移ったのか、祐斗も同じ様に大きな欠伸をした。2人して眠そうにしながら、目尻に浮かんだ泪を拭った。
「今日はちゃんと寝てくださいよ?」
「分かってる。それより、社長にこれから帰るって連絡入れといて。あと、明日は何時にしよ…昼過ぎ、15時とか?に出社するって伝えて。夜の監察したいからって」
祐斗は頷いて、メール画面を開いて文章を打っていたが途中から分からなくなってきたのか、むつに携帯を渡した。