表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋 -無い物は-  作者: 幹藤 あさ
195/753

4話

祐斗が千円札をジーパンのポケットに突っ込み、走っていくのを見送りむつは公園のベンチに座った。背を向けている方の道は、少ないが車も人も通る。だが、むつが目を向けている方の道はというと、人も車も通らない。


「…結界の効果かなぁ」


どういう事なのか、分からないがむつはうろうろと行き宛もなくさ迷う霊を眺めながら、マフラーとマスクをずらした。パーカーのポケットからタバコを出して、くわえると火をつけた。口から吐き出された煙が、霊たちと同じ様にゆらゆらとしている。


携帯灰皿に灰を落とし、むつはぼんやりと道を見ている。こうも動きようのない仕事も、なかなか無いよなと思っていた。それに、今度の仕事は初めての事が多い。土地神という神からの依頼であったり、能力が使えなかったり、浮遊霊の大群が目の前にあったりと経験しようと思っても出来ない事ばかりだった。


「ふ、ふぇっくしゅっ…うぅ…寒っ」


ぶるぶると身体を震わせ、むつはタバコを半分ほど吸った所で、地面に押し付けて火を消した。そして、灰皿に入れるとそれをポケットに突っ込み、マスクとマフラーを戻してから手もポケットに入れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ