4話
「…ちょっと気になる。祐斗、神社に行って待ってる?あたしは少し、ここに居るよ」
「何が気になるんですか?」
「わざわざ、車が遠回りをしたのが。だって、この道じゃ後ろに行っちゃうもん。あっちの道のがよくない?」
むつは公園の向こう側、地蔵のある通りの先を指差しているようだった。
「車が出る方向にも寄りますけど…そうですよね。さっきの車なら向こう側から出た方が…」
むつの言う通りで、祐斗は頷くしかなかった。だが、ここにむつを残して神社に行く気にもなれない。
「監察するなら、一緒に居ますよ。むつさん、携帯もないし連絡つかなくなると困りますからね」
「あ、そっか。なら少し付き合ってね…でも、ここで立ち尽くすのもなぁ」
「公園行きましょうか。ブランコとかありますよ?たまには、どうですか?」
「童心に戻るって?やぁだーよぉ。あ、それより寒いし何か買ってきてよ。あっちに駅があってさ、喫茶店のチェーンあるからコーヒー」
ごそごそと鞄から財布を出して、千円札を1枚取り出して祐斗に渡した。
「祐斗も好きなの買ってきて。レシートはちゃんと貰ってきてね」
「あ、はい。ありがとうございます‼」
「あたし公園に居るから」