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4話
公園の前を通りすぎ十字路に出ると、途端に霊も居なくなった。
「わ…何か身体が軽くなった!!ね、なってませんか?」
「うん。霊が居ないからかな?」
「かもしれませんね。重力が違うって事…なんでしょうか?」
「うーん…その辺はどうなんだろ?あたしにもよく分かんない。こんなに一ヶ所に霊が貯まってるのも、そんな所に足を入れたのも初めてだもん」
「ですよね。俺もです…でも、ここの霊って、あんまり俺たちに興味持たないですよね?大体、分かる人の所に寄ってきたりするんですけど…」
「何なんだろ。この人たちが、何か分からないと…この状況ってどう仕様もないよね?」
むつと祐斗は十字路から、霊のうようよしている道と公園を眺めていた。これが全部、生きた人だったらさぞかし凄い活気ある街みたいなんだろうな、とむつはぼんやりと考えていた。
「むつさん、どうしますか?」
「このあと?」
「はい…何か手掛かりとか掴めないと何もしようがないですよ」
「そーなんだよねぇ…とりあえず、この人たちがどこから入ってきてるのか分かれば…」