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4話
膝をついて、砕けた石を拾い一ヶ所に集めていたむつだったが、その手を止めると立ち上がった。
「…この辺にしか霊が居ないのね。たぶん、この道が結界の役割をしてるんだと思うけど…どう思う?」
「そういうのは、ちょっと…俺は。でも他に出ていかないって事はそうなのかもしれませんね。どこまでが、そうなってるんですか?」
「たぶん、そこの…見える?公園の所、十字路になってるでしょ?そこまでかな。公園内も霊で溢れてるから」
ぱんぱんっと手を払って、むつは十字路の方を指差した。だが浮遊霊が、うようよしていて道もかすれて見えなくなっている。
「ちょっと、行って確認してみようか。体調はどう?無理なら、このまんま出てくれてもいいから」
「大丈夫です。何か慣れたんだと思います」
「若いっていいよね」
そう言うむつは、こんだけ霊が多くても全然大丈夫なのか、顔色も悪くないしぴんぴんしている。




