189/753
4話
土台があり、並んでいる地蔵は2体。本来なら、ここにもう2体の地蔵があるはずだが、その2体は壊されている。神社で殺人事件があった日に壊されたと思われるものと、その前に壊されたものだ。
「こんなに壊れてたんですね」
地蔵の前まできたのは初めての祐斗は、もう霊の事など着にもしていないのかしゃがみこんで、まじまじと見ている。
「まだ片付けてないんですね」
祐斗の言うように、砕けた石があちこちに転がっている。むつは地面に膝をつき、丁寧に手を合わせた。
「みたいね…何でだろ?警察に触らないようにとでも言われてるのかしら?」
「ですかね?でも、道にも転がってますよ?ここ、一通みたいですけど車道ですし」
標識を指差し祐斗が言うと、むつはそれに初めて気付いたような顔をしていた。一方通行とは言えど、先には民家もある。そうなれば、生活の為にこの道を使う人も居るだろうに、片付けはされていない。
「滅多に車が通らないのかしら?」
「でも、公園ありますよ?子供が遊ぶ場所の近くですし…このまんまじゃ危なくないですか?」
「だよねぇ…」




