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4話
身支度をしたむつと祐斗は狛犬を連れて、冬四郎と西原と共に車に向かった。
「むつ、前乗るか?」
「…先輩じゃなくて良いの?」
冬四郎が助手席のドアを開けてむつに言うと、むつは西原の方を見た。西原は何も言わずに、顎をしゃくって見せた。狛犬を抱っこして、助手席に座るのは無理だが、座席をずらせば足元に座らせる事は出来るかもしれない。むつは少し考えたが頷いた。
「なら…そうする」
素直に助手席に乗り込むと、狛犬も当然のようにするっと乗り込んだ。足元に乗り込み、前足をむつの膝の上に乗せている。冬四郎は少し渋い顔をしたが、ぱたんっとドアを閉めた。祐斗と西原は後部座席に座り、冬四郎が運転席に座った。冬四郎はジャケットから携帯を出すと、むつにぽんっと投げ渡した。
「自分の携帯にかけろ。菜々ちゃんたち居るんだろ?帰り、遅くなるかもしれない事くらいは連絡しといてやれ」
「うん…あ、ロック解除して」
画面を見せロックの解除をして貰うと、むつは電話帳を開く事なく自分の携帯の番号を押した所で、手を止めた。




