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4話
「おーい、むつ。みやが送ってくれるそうだから、乗せてって貰え」
「あ、本当ー?ありがとーっ」
山上が大声で言うと、むつも大きな声で返し、キッチンから顔を覗かせた。寝不足のせいで、目の下に隈、瞼も少し腫れているのか、笑うとやはり目が細くなり大仏のようだよな、と山上は密かに思っていたが、口には出さなかった。
「頼むな」
山上が言うと、冬四郎は頷いた。西原はむつと祐斗が居るキッチンの方をぼんやりと見ていた。そんな西原を冬四郎と山上は見ていたが、何も言わずにそっとしておいた。むつの態度からして、西原と何かあり、西原はそれを気にしているようだったが、それは本人同士で何とかするしかない。
菓子を包み、一服し終えたのかむつと祐斗はキッチンから出てきて、揃ってロッカーに向かっていった。
「あ、おい。むつ、祐斗。直帰しろよ?あんまり遅くならないうちにな」
「はーい」
2人の声が揃って聞こえてきた。
「仲良いですよね」
西原が羨ましそうに呟くと、冬四郎と山上は苦笑いをするしかなかった。