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4話
「なら、ほら…むつさん‼明るいうちに行きますよ‼レーズンサンドの残りも持っていきますか?」
「颯介さーん、レーズン好き?」
「え…正直、俺もあんまり」
颯介が言うと、むつはやっぱりね、と頷いた。山上には聞かずに、むつは立ち上がった。
「なら持ってこ。全部包もっか。あ、しろーちゃん1本頂戴、タバコ」
「ないのか?」
「うん、寝坊したからね。昨日も何だかんだ、遅かったのよ…菜々とこさめはしばらく、泊まってくみたいだし」
タバコを箱ごと投げ渡され、むつは礼を言うと、自分の使った湯飲みと灰皿を持って、祐斗と共にキッチンに向かっていく。2人がキッチンに入っていくのを見届けてから、山上は冬四郎を睨むように見た。
「…お前、バレたな?」
「はい…すみません。まさか、バレるとは思ってなくて…近付きすぎたようです」
「ったく…お前がむつを怖がらせてどうするんだ?西原は、バレなかったっていうのに」
「…すみませんでした」