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4話
「一緒に行こ?」
「えっと…どこにですか?」
「お地蔵様、視る」
とことことやってきた祐斗は、むつの前でしゃがむと、まじまじとむつの顔を見た。
「悩むくらいなら、行動しよっかなって…」
「それは、悩みから逃げる事になりませんか?」
「だよね。でも、しないで気にしてるより、して後悔かな…うーん、正直気にはなる。何か、ね」
祐斗が困ったような顔をすると、山上はむつを起こさせた。むつはぽすっとソファーにもたれると、首を傾げながら祐斗を見ている。
「祐斗、嫌なら断ればいい。むつは…まぁ…しばらくは事務処理しながら自由行動にさせとくからな」
「…まぁ様子を視に行くだけなら」
祐斗が頷くと、むつはぱっと嬉しそうな笑みを浮かべた。無邪気に喜ぶむつが見れるなら、と祐斗は自分に言い聞かせた。だが、本音は地蔵の所には行きたくないだった。