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4話
溜め息をついたむつは、ぽすっと山上に寄り掛かった。山上は、ちらっとむつを見ると、わしわしと頭を撫でた。
「…つーかさ?何で、一緒なの?」
一言も喋らない冬四郎と西原を交互に指差したむつは、何故か少し機嫌が悪そうだった。
「合同捜査だからな。西原君と組む事になったんだよ。でな、西原君の所にあの老人が来て、むつの所に連れていけって言うから」
「ふぅん…ねぇねぇ、つけられてたって話、覚えてる?菜々とこさめとランチ行ってた時…」
冬四郎の話をどうでも良さそうに聞き流し、むつは山上を見上げた。山上もちゃんとむつの方を向いて頷いた。
「あれってさ、たぶん土地神様と狛犬だったと思うの。気配が同じ気がする、たぶん」
「たぶん、ばっかりだな」
「…ごめん」
しゅんと、むつがうつ向くと山上は気にするなと、わしわしと頭を撫でた。