4話
「あの、それで…先ずお聞きしたいのですが、何故この2人とご一緒に来られたのでしょう」
冬四郎から電話を貰っては居たが、何故西原も一緒なのか、それに老人とその2人との接点も分からなかった。
「あぁ…そう。それより、先にわしが何だかむつさんには分かっておいでかな?」
「…はい。あの、おかしなお地蔵様の近くの神社にお祀りされている方ですね?土地神様とお見受け致しましたが」
少し自信なさそうにむつが言うと、老人は満足そうに何度も頷いた。会話を聞きながら、むつ以外は驚いていた。その神社に出向いている祐斗は、人一倍驚きが大きいようだった。
「狛犬を連れているから、分かったのな?」
「…そう、ですね。申し上げにくいでさが…今は気配もほとんど分からない状態でして…狛犬が居なければ正直、人ではないと分かっても、どなたかは分からなかったと思います」
「正直だ。狛犬が言った通り、素直で誠実な方のようで安心しましたよ。これなら、こちらの頼みも話しやすい」
「ですが、お力になれる自信ないですよ」
「結構、結構。あなたなら、きっと何とか出来ると思いますからね」
土地神は、ぴりっとフィルムを開けるとふわふわとしたバームクーヘンに、ぱくりとかぶりついた。