4話
座ったむつは、祐斗から貰ったレシートと領収書のたばを、1枚1枚チェックしている。
「…祐斗、あのさ…これは落とせません」
ぴらっと差し出されたレシートを祐斗は受け取った。レンタルDVD店のレシートだった。しかも、ご丁寧に何を借りたのかまで明記されている。それを見た祐斗は、ゆっくりと赤面していった。何を借りたのか、むつにバレてしまった。
「…あぁ、確かにこれはねぇ」
祐斗の様子に気付いたのか、颯介がレシートを覗きこんだ。笑いをこらえつつ、むつの方をちらっと見た。むつも笑っているようだった。
「何だ?どうした?」
むつと颯介だけが、くすくすと笑っているとそれが気になったのか、山上も祐斗の方に注目している。
「レンタルDVDだよ」
「しかも、大人向けの方です。祐斗君は女上司にあれこれ、女教師にあれこれな…痴女物が好きなのかな?」
「…祐斗はMなのか‼」
だはははっと大口を開けて笑う山上に、つられたように颯介も肩を揺らして笑っている。むつは、何やら優しげな眼差しを祐斗に向けているが、それは生暖かく、居心地の悪くなる眼差しだった。
「…ちっ、違いますって!!」
「女教師好きなら、菜々を紹介するよ?菜々も何か、祐斗がお気に入りみたいだし」
「なっ…何でそうなるんですか!?朋枝さんは、喋るとおっさんみたいじゃないですか」
「そ?あれでもお嬢様よ?手とりナニ取り色々と教えて貰ったらいいんじゃない?」
「…それ、前に朋枝さんが言ってたやつじゃないですか!!むつさんまでそんな…もう!!女の子なんですから!!」
顔を赤くして、ぷりぷりと怒る祐斗を見て3人は笑っていた。